– profile – 週末陶芸家 フジサキウサジ 平日はそれぞれ本業をもち、週末ごとに趣味として陶芸を楽しんでいた私たちが、初めてイベント出店するにあたって考え出した屋号が『フジサキウサジ』です。ネットで検索してもヒットしない唯一無二の名前という条件で、2人の名前をシャッフルしてつくり出したものです。そして週末限定の陶芸家ユニットゆえに『週末陶芸家』の肩書きをつけました。 週末陶芸家フジサキウサジが独立し、主催する陶芸体験工房が『ウサジ工房』です。調べてみると『ウサジ』は沖縄弁で『ウサギ』を意味する言葉なのだそうです。後付けの理由ではありますが、ウサジ工房開設時よりマスコットとしてウサギを使わせていただいております。 History 2014年5月 愚黒窯 黒工房(紫波郡紫波町)黒崎徹氏のもとで初めての陶芸体験 以降、週末ごとの工房通いを継続(2016年まで) 2015年5月 土澤アートクラフトフェア初出店(週末陶芸家フジサキウサジの誕生) 以降、イベント出店、作品出展多数 2017年7月 陶芸体験工房『ウサジ工房』プレオープン 2018年1月 陶芸体験工房『ウサジ工房』正式オープン、現在に至る ウサジA ウサジG 幸せな食卓をつくる 私たちは「食卓に幸せを」をコンセプトに作品を作っています。 料理が運ばれるまでの間に、目を楽しませてくれるもの。 料理の色彩を活かす器。 手におさまりがよく、手触りが良い器。 使うほどに愛着が湧き、飽きない器。 用途に応じて使いやすく工夫された器。 ご夫婦、カップル、親子、家族が幸せであってほしい。 幸せのベースの一役になることを目指しています。 ウサジA 佐々木 麻路 Asaji Sasaki ほっこり優しく、甘やかな丸みのある作品づくり 作品のイメージが湧いてくるとき、ウサジAの頭の中はひらめき一筋。掻き落としは、デッサン無しで始める。自由だなぁと夫のウサジGに、よく言われますが私にとっては、大真面目!イメージが消えないように、一気に作ります。俗にいう、美しい器とは言えないのだろうけど、でも手に取ってなんか優しくなんか元気が出るような、そんな器を作っています。 -works- -message- 手先不器用と自他共に認める人生?を送ってきました。 何かを造形する機会は、自分の人生には無いと思っていました。そんなものづくりコンプレックスの塊のような私が、なぜ陶芸の道へ・・。まずは、夫のウサジGのおかげです。毎週末、陶芸工房へ通い、毎週末陶芸に向き合う機会を作ってくれました。 そして気づきました。コンプレックスや苦手意識は単に「やらないだけ」、トレーニングをしない理由だったという事に。うまくいかない。上手に出来ないと初めから自分に諦めて、積み重ねる事を億劫がっていただけだったのだと。もっと言えば、それでカッコ悪い自分を見たくなかったんだなと。 紆余曲折を重ね、人より何倍も時間をかけ、手びねりも電動ろくろもなんとか四苦八苦しながら覚え始めた時、「掻き落とし」という技法に触れました。つくった器に白い粘土を塗り、半乾きのところで、絵を掻く、幾何学模様を掻く。”陶芸って楽しい”という感覚が湧いてくるようになり夢中で色々な器で試しました。器を作って掻くのではなく、掻くために器をつくる。もしくは、器の造形から湧いてくる図柄。どんどん複雑になり、様々な図柄を思いのまま描くことの楽しさ! 陶芸はウサジAに、たくさんの事を教えてくれました。まずは、常にリードしてくれた夫のウサジGのおかげ。そして、陶芸工房に通っていた時、いつも励ましてくれた先生。その仲間達のおかげ。 私の作品を手にとって喜んで、ご購入してくれるお客様。陶芸の場でたくさんの人たちに出会い、成長し、そして頭ではなく、実体験として苦手意識を克服できた喜び。トレーニングを重ねる大切さ。どんな世界でも同様の事が起きるのだと思いますが、真摯に向き合うことは、自分自身に「宝」をもたらしてくれる事を実感しています。 ページTOPへ ウサジG 佐々木 剛 Go Sasaki 研ぎ澄まされた器。そしてラブリーな造形も。 私たちが作っている器は、どれ1つ取っても同じ大きさ、同じ形のものがありません。ちょうど良いと感じる大きさや、カッコいいと感じる形も人によって千差万別だと思います。だから私たちは、特に手に持って使う器はあえて大きさも形も変えて作っています。 それぞれの手に馴染む器に出会ってほしいから。そして私たちも、そんな器に出会いたいから。 -works- -message- ふと、旅先の土産物屋で出会ったぐい呑みを手にとってみる。手に馴染むもの、そうでもないもの、様々ある。これは、と思った1つを掌の中でしばらく転がしてみる。店員の目を盗んで、こっそりと唇に当ててみる。納得すれば値段を確認し、手の届く範囲であれば代金を支払い、包んでもらう。 そんなことを繰り返し、気が付くと自宅に連れ帰ったぐい吞みがかなりの数になっていた。食卓の自分の定位置から見上げる場所にぐい吞み専用棚を作って並べ、思い出の数々を眺めながら美味い酒をちびちびと呑む。自然と顔がほころぶ。ますます酒が美味くなる。 酒を呑むための器に関しては、自分なりに、それなりに拘りがあったのだと思う。しかしまさか、自分で作った器で酒を楽しむことになるなんて、そんなことは露ほども想像していなかった。これが、2014年5月までの自分である。 人生で初めて陶芸に触れた陶芸教室では、まず電動ろくろに向かった。手先の器用さと集中力には自信があった。そんな自信は、電動ろくろの前であっけなく崩れ去った。初めての電動ろくろは、まさに屈辱の連続だった。 その日、自分の中で何かのスイッチが入った。それ以降の休日は全て、朝から晩まで2人で陶芸教室に入り浸ることになった。 陶芸教室に通い続けるごとに、少しずつ上達していく実感が嬉しかった。陶芸の楽しさを全身に浴びつつ、陶芸の深みにはまってゆく感覚が心地よかった。しかし2人で週末ごとに陶芸教室に通い続けることで、半年も経たずに自宅の食器棚から自分たちの器があふれ出てしまう事態となった。 陶芸を始めて季節が一回りする頃、近場のお手軽そうなクラフトイベントに出店を申し込んだ。イベント出店にあたり、屋号を考えだした。そして同時に、ブログという形式でネット上に陶芸日記を書き始めた。 『週末陶芸家フジサキウサジは、2人の陶芸家からなるユニットです。』 そんな書き出しでブログの最初の記事は始まる。陶芸歴1年にも満たない私たち2人が恥ずかしげもなく陶芸家を名乗り、ネットの世界で小さな産声をひっそりとあげた。そして2015年春の土澤アートクラフトフェアにおいて、私たち週末陶芸家フジサキウサジは、山ほどの拙い器たちを携えて、ネットの世界から現実の世界へと飛び出した。 食器棚からあふれ出した器を、あわよくば多少なりともお金に変えて、陶芸教室に通い続ける資金の足しにできたらラッキー。まずは2人で土澤の空気を楽しもう。そんな気楽さが、もしかしたら良いほうに転んだのかもしれない。初めて出店したイベントでは、多くの方々に週末陶芸家フジサキウサジの器を手に取っていただいた。そしてその何割かの方々が、代金を支払って私たちの器を連れ帰るという選択をしてくださった。 『手に持って使う器は、わざと大きさも形も変えて作っています。ご自身の手にしっくりと馴染む器に出会って欲しいから。そして、自分もそんな器に出会いたいから。』 自分の口から発せられたそんな言葉に、自分自身でハッとした。イベントで私たちのブースに立ち寄った方との会話の中で、自分の奥に潜んでいた思いに改めて気付かされた。器を通じて、見知らぬ者どうしが言葉を交わすという新たな楽しさを知った。そして、単なる趣味がお金を生み出すという、貴重な体験を味わった。私たちが作った器を手にして喜んでもらえる喜び。そして売り上げという数字で示される、器への評価と達成感。 2日間のイベント出店を経験することで、私たちは陶芸家としての階段を2段か3段いっきに上った気がした。 2年半ほど通い続けた陶芸教室では、釉薬作りから窯焚きまで、陶芸に関わる一通りの工程を体験させていただいた。普通の陶芸教室だったら、たぶんあり得ない事だと思う。 紆余曲折はあったが、やがて週末陶芸家フジサキウサジは、自分たちのための場所に出会った。元々陶芸工房だったその場所は、おそらく10年以上は放置されているように見えた。週末ごとに2人で足を運んでは掃除と片付けと、日曜大工とペンキ塗りと、ドブさらいと草むしりに明け暮れた。「陶芸体験工房ウサジ工房」2017年7月プレオープンとは名ばかりで、実際に窯に火を入れるまで、そこから更に半年の期間を要した。 「仲間が集まれる場所をつくりたい」という思いを現実にすることは、単に「自分たちの居場所をつくる」こととは次元を異にする。決して順風満帆とは言えない月日が続いたが、やがて少しずつ仲間と呼べる人たちがウサジ工房に集まり始めた。 陶芸体験工房ウサジ工房は、その名のとおり陶芸体験をお楽しみいただくための、非日常的な空間である。今は完全予約制となっているが、基本的に来る者は拒まず。どなたでもご利用いただける陶芸工房である。 ページTOPへ